「機織り」と「高野山」
高野山の話しをする前に…
なぜ私が今探している「姫」が「機織り」と関係すると思うのか…それを話さなければいけませんね。
それは今、私が、機織りをしているからなのです。
昔からではないのです。
ずっと別の仕事をしていました。
それが…主人が誘われ大学に勤務するため地方へと行くことになり…すると私はそれまでの仕事を辞めなければならなくなって…
私にはやりがいのある仕事だったのですが…
でも…なぜか「あ、それもいいかも」と思ったんです。
どうしてだったのだろう?
そしてその時に「人生、二度もらった」ように思えたんです。
その次にやりたかったのは…「染織」でした。
中学生の時に教科書に載っていた大岡信さんのエッセイ。桜の色は花びらからではなく幹から出てくる…それを読んだ時から憧れていました。
化学を専攻したのも…そのことがきっかけかもしれません。
定年になってからやろうと思ってたんです。
…でもそれが少し早くなったと思って…。
そしたら主人の赴任先の大学は、偶然にも織物の産地にあったのです。
そして…トントン拍子に事は進んで行き…そこで私は染織を学ぶこととなり…
そしてこれまた、その憧れの大岡信さんのエッセイの方が90歳にして染織の学校を京都で開いたのです。
…いても立ってもいられなくて…遠かったですが…週末夜行バスで京都まで一年通いました。
その時からなのです…こうした不思議なことが起き始めたのは…。
高野山…それはその京都の学校へ私が通っているときの、合宿の時の出来事です…。